アプリで稼ぐ戦略を評判のレストランから学ぶ

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アプリを適当に開発してリリースしたところで大したお金は稼げません。

だからといって、検討に検討を重ねた結果、開発したアプリでお金を稼げることも稀でしょう。

私はアプリの個人開発歴4年半になりますが、狙って稼げるアプリを作ることは不可能だと思っています。

しかし、戦略を練ることで稼げないアプリを作る確立を減らすことは可能だと考えています。

是非、私と一緒に稼ぐアプリの戦略を考えてみてください。

ただ、やみくもに考えても効率が悪いです。ここはアプリで稼ぐための戦略を、オイコノミアの「評判のレストランを作る経済学」を参考に考えてみましょう。

ぶっちゃけ、アプリを開発する人は経済学には興味がない方ばっかりだと思ってます。

私も興味がありませんでした。

しかし、オイコノミアを見るようになってからは経済学が面白く感じます。

オイコノミアとは、Eテレで毎週水曜 午後10時から放送しているピースの又吉直樹さんが出演している経済学について教えてくれる番組です。

経済学は様々な場面で活用できる幅の広い学問です。

あなたが私と同じように経済学に興味がなかった人間ならば、大きな成長を与えてくれるでしょう。

ちなみに書籍も出版されています。

私はTVで見る派なので持ってませんが、本が好きな人にはオススメします。

需要と供給

競争市場では、需要と供給によって価格と取引数量が決定されます。

簡単に言うと、物を欲しがる人(需要)と物を提供する人(供給)がいて、商売は成り立つということです。

レストランの需要と供給

評判のレストラン

レストランでは、食べにくる客が「需要」、料理を出す店側が「供給」となります。

評判のレストランでは、以下条件を満たす必要があります。

  • 需要面:味の分かっている客層に支えられていること。
  • 供給面:優れた料理人と良い食材が集まりやすいこと。

要するに、どんなに素晴らしい料理人がいたとしても、その作る料理を評価する人がいなくては意味がないということですね。

例として、猫に「モンプチ」を与えても、3つ星シェフが作る「舌平目のムニエル」を与えても、ムシャムシャ食べますよね。猫にとっては「モンプチ」の方が好きなのかもしれません。

そう考えるとシェフが作る料理は費用対効果がとても悪い!

シェフが作る料理は、その味を理解してくれるお客さんがいてこそ、初めて価値が生まれると言えます。

という具合に、需要と供給のバランスがとても大事だということを理解していただきたいです。

アプリ開発の需要と供給

アプリ開発も同様です。

どんなに素晴らしい技術、奇抜なアイデアがあったとしても、その作ったアプリを利用したい人がいなければ何の価値も持たないということです。

逆に言えば、大した技術力も必要とせず、だれでも考えつくようなアイデアで作られたアプリであったとしても、利用したい人が沢山いて、そのアプリがまだ存在していないのならば、作る価値は大いにあると言えるでしょう。

こんなことは誰もが知ってると思うかもしれませんが、意外と開発し始めると本来必要とされていないところに拘りはじめて無駄に消耗することが多々あります。

「そんなやついないだろ?w」

って思ったあなた。

私に失礼ですよ!

アプリ開発における「需要と供給の戦略」で大事なのは以下の通りです。

  • 利用したい人が必ず存在するアプリを作る。(あなた自身でもOK)
  • ユーザーが必要とする最小限の機能のみ実装する。
  • こだわって時間をかける場合は、その部分がユーザーにとって本当に必要なのかを検討する。

合理的群衆行動

合理的群衆行動
合理的群衆行動とは、個人の判断は合理的なのに結果として非合理に見える群衆行動が発生することです。

ちょっと難しい内容です。漢字だけで6文字超えると難しいイメージを与えます。

「中華人民共和国」

ほらね。

レストランの合理的群衆行動

レストランにおける合理的群衆行動として分かりやすいのが「行列」です。

A店、B店、2つのレストランが並んでたとして、あなたはどちらのお店にも行ったことがありません。しかし、口コミでB店がおいしいという情報を知っています。

実際お店に着いてみると

A店は行列ができています。

B店はガラガラです。

あなたなら、どちらのレストランで食事がしたいですか?

ちょっと考えてみて下さい。

うん、うん。

そうですよね、行列ができているA店ですよね。

だって何かうまそうですよね。

B店と答えたあなた!

お腹が好きすぎて早く食べたいんですよね。そういうことにしておきましょう。

どちらのお店の方が「おいしそうか?」と聞かれたら、大抵の人は行ったこともないけど、A店だと答えます。

要するに合理的群衆行動とは、自分の持っている情報を無視(非合理)して周りの人につられて同じ行動をとってしまうという理論です。

アプリ開発の合理的群衆行動

ではアプリ視点での合理的群衆行動とは何にあたるのでしょうか?

面白いアプリや役立つアプリの情報は、一般的にレビューの評判だったり、口コミだったり、TVによるCMなどから得られます。

だからみんな「パズドラ」や「モンスト」をやってるのです。

しかし、あなたの職場では「お相撲さんを断髪するゲーム」をみんな必死にやっています。なんか意味が分からないアプリだけど、あなたもやりますよね?

そんな状況をどうやって作り出せるのか?

とても難しい問題です。

色々考えてみましたが、私の脳みそでは思いつきませんでした。

あなたなら考えられるかもしれませんが、あまり時間を費やすのは得策ではありません。

本サイト(シンプルアップ工房)では、そんなあなたを手助けするアプリレビューの執筆依頼を無料で受け付けています。

合理的群衆行動は再現できず、時期によって応募できない場合もございますが、ぜひ有効活用してみてください。

顧客視点

顧客視点

顧客視点とは、お客様の立場になって物事を考える事です。

そんなの簡単と思うかもしれませんが、想像以上に難しい作業です。

私は意図せず嫁を怒らせることが多いので、苦手な分野だと自覚しています。

レストランの顧客視点

では早速試してみましょう。

あなたは美味しいレストランを探しています。

価格は同じ、常に満員という前提条件の元、どれが美味しいレストランでしょうか?

  • 1.病院に付属したレストラン
  • 2.人通りの多い場所にあるレストラン
  • 3.駅から遠いレストラン
答え
正解は『3.駅から遠いレストラン』です。

  • 1.病院にいる人には他の選択肢がありません。
  • 2.人通りが多いため必然的に客が来る。
  • 3.わざわざ遠いところからくるリピーターがいる。

もう1問出題します。

価格は同じ、常に満員という前提条件の元、どれが美味しいレストランでしょうか?

  • 1.店内の雰囲気が良く長くゆったりくつろげるレストラン
  • 2.居心地はよくないレストラン
答え
正解は『2.居心地はよくないレストラン』です。

居心地がよくないのに店が満員ということは、よっぽど美味しい料理を出すレストランということですね。

または、とてもかわいらしいナイスバディの店員さんがいる可能性も否定はできません。

上記問題を考察すると、レストラン経営側として居心地の良い店にした方が儲かるんじゃないかと考えたが、顧客視点で考えると逆になるというのが興味深いところです。

アプリ開発の顧客視点

それではアプリにおける顧客視点を考察してみましょう。

アプリのダウンロード数とレビュー評価は同じ、どちらのアプリの方が便利でしょうか?

  • 1.大手メーカーの電卓アプリ
  • 2.個人開発者の電卓アプリ
答え
正解は『2.個人開発者の電卓アプリ』です。

大手メーカーのアプリは、開発にもプロモーションにも費用をかけています。それを踏まえて、同じ結果となっているのならば、個人開発者のアプリの方が便利なアプリである可能性は高いです。

電卓アプリといえば、個人開発者が作ったレビュー評価の高いメモ機能を搭載した電卓アプリがオススメです。電卓アプリが丁度欲しかったという方は是非利用してみてください。私も愛用しています。

もう1問出題します。

アプリのダウンロード数とレビュー評価は同じ、どちらのアプリの方が面白いでしょうか?

  • 1.グラフィックがすごい超大作RPGゲーム
  • 2.棒人間が勇者のRPGゲーム
答え
正解は『2.棒人間が勇者のRPGゲーム』です。

  • 1.グラフィックの良さに惹かれてダウンロードする人が多い。
  • 2.グラフィックには期待してない人がダウンロードしている。

グラフィックが良いものと悪いものがあった場合、確実に良いものの方がダウンロードされます。その点を考慮すれば、グラフィックがしょぼいものの方が面白い可能性が高いです。

アプリ開発で「顧客視点」を戦略に盛り込むならば、ユーザーが何を目的にアプリをダウンロードするのかという点を深く追求する必要があります。

またレビュー評価は顧客視点において、超重要項目です。

そのための戦略として私は「シンプルアプリ」を推奨します。

シンプルアプリとは、ただ一つだけの機能を有するアプリです。

多機能の方がユーザーにとって便利かと思うかもしれませんが、多機能化により操作が複雑になり、使いこなせない人がでてくるとレビュー評価が下がります。

最初から1つの機能しかないと苦情はあまり発生しません。また、ユーザーがどうしても欲しい機能があれば、それはレビューに要望としてコメントがつくことになります。それが多数溜まってから必要に応じて拡張するのがベストと考えています。

スタートはミニマム!

これ重要です。メモしてください。

開発者がよかれと思って追加した機能が、コアユーザーの求めている方向性とずれてしまい、アンインストールされるという事はよくある話なのです。

ネットワーク外部性

ネットワーク外部性

ネットワーク外部性とは、利用者の数が利用者の利便性に影響を与える事です。

食べログのように書き込む人が増えると信憑性があがり、見る人が増え、さらに書き込む人が増えるという無限ループ状態。

このように利用者の増加に伴い、利便性が高まる現象をネットワーク外部性といいます。

携帯大手キャリアが赤字覚悟で競争しているのも、このネットワーク外部性による収益増加が目的なんですね。

レストランのネットワーク外部性

レストラン自体の話ではないですが、評判のレストランを探すために利用される「食べログ」のような口コミサイトがネットワーク外部性の重要性を物語っています。

まず口コミサイトを利用する人は、口コミが多く投稿されているサイトを好みます。評価が多ければ、それだけ客観的に判断しやすいから当然ですね。

逆に口コミが少ないサイトは利用されることも減り、口コミを投稿する人も少なくなります。

このようにネットワーク外部性のあるサービスは利用者増加で、ある分野のデファクトスタンダードとなり一人勝ちの状態となります。まさに食べログは外食の口コミサイトの分野で一人勝ち状態です。

今あえて食べログに対抗するような外食の口コミサイトを作るなら地域限定にするなど、差別化の考え方が重要になります。

アプリ開発のネットワーク外部性

アプリ開発にもネットワーク外部性は積極的に取り入れるべきです。

SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で有名なLINEも、周りがLINEを使ってるからみんな利用する感じですよね。私も利用しています。

中国では「Wechat(微信)」というLINEに似たSNSアプリが主流なのですが、周りがWechatを使っている状態だったら、私もWechatを使っていると思います。

SNSアプリなら必然的にネットワーク外部性は盛り込まれるものですが、そうでない分野でも適用させることは可能です。具体的には以下が該当します。

  • SNS連携による画面キャプチャのシェア
  • オンラインのランキング機能
  • コンテンツ投稿型の情報提供アプリ

これら以外にもアイデア次第で色々な施策があると思います。

私のアイデア
私はツール系のアプリがメインなので、アプリのQ&Aなどをユーザー同士で構築できるようなヘルプ機能を用意したり、アプリを紹介(端末単位でシリアルコードを発行、それを紹介者のアプリに登録して判定)してもらうことで追加機能が無料で利用できる仕組みなどを導入できれば面白いかなと妄想しています。

逆淘汰

逆淘汰

逆淘汰とは、情報に偏りがあることで優れたものがなくなり、劣っているものだけがのこる現象。

自然界でおこる自然淘汰は、優れた種が生き残るので逆ですね。

レストランの逆淘汰

お客がランダムにお店を選んでいると、原価が高い優良な店のほうは経営が苦しくなって消えていく。

優良な店の方がおいしいと情報が広まれば、腕の良いシェフが正当に評価され生き残ることができます。

地方で腕の良いシェフがジリ貧になり、都会にでて一旗揚げるということがよくあるそうです。

アプリ開発の逆淘汰

アプリ開発における逆淘汰とは、リスク対策として考えられます。

ここで言うリスクとは、ユーザーが求めている以上の機能を提供することを指します。

多機能を提供する、イコール開発コストがかかりメンテナンスにも多大な時間を浪費します。

やはり「シンプルアプリ」が良いという結論に結びつきます。

または、多機能を必要とするユーザーのみをターゲットとしたアプリを作るという明確な方針があれば、それはそれで良いと思います。逆に、ターゲットを明確にしないのであれば、機能を絞りシンプルにすることをオススメします。

シグナリング

シグナリング

ミクロ経済学で言うシグナリングとは、相手に間違った選択をさせないために、私的な情報を公開することで相手に安心を与え、正しい選択をしてもらおうとする行為のことです。

シグナリングについて詳しいことが知りたい方は、情報の非対称とシグナリングで分かりやすく解説してますので、興味がありましたら参照ください。

今回のオイコノミアでは、他の人が真似できない行動をあえて行うことで、それを相手に伝える。

他の人が簡単にできる事では意味がない。

という説明をしていました。

レストランのシグナリング

レストランのシグナリングとして、パリの三ツ星レストランで修業した経歴などがそれに該当します。

そんな肩書のシェフがいるレストランが出す料理は美味しいに決まってます。

アプリ開発のシグナリング

アプリ開発におけるシグナリングで一番わかりやすいのは、アプリ開発の実績を作ることです。

ぐんまのやぼう」でお馴染みの個人開発者であるRucKyGAMES(ラッキーゲームス)さんは、シグナリングに成功したと言えるでしょう。

だが、それが難しい。

色々考えた結果、無名の個人開発者ができるシグナリングといったら、アプリ説明文に自分の開発経験や、そのアプリに対する情熱を記載するぐらいしか思いつきませんでした。正直、大した効果はない気がします。

今後もシグナリングの方法については検討を行い、なにかいいアイデアを思い付いたら更新しておきます。

まとめ

戦略の要点をまとめます。

  • ユーザーが必要とするアプリを作る。
  • 機能を絞り込みシンプルなアプリを作る。
  • アプリレビューサイトを有効活用する。
  • 顧客視点でアプリの概要設計を行う。
  • スタートはミニマム!
  • ネットワーク外部性を考慮する。
  • 多機能アプリはターゲットを明確にする。
  • 実績が一番のシグナリングになる。

経済学の視点から「評判のレストランを作る」を参考に、稼ぐアプリの生産性を高めるための戦略を色々と考えてみました。

今回の内容が役に立ち、あなたが作るアプリが少しでも稼げるようになれば幸いです。

スタートはミニマム!という点については最近になって特に重要と考えており、まだ読んでませんが「リーン・スタートアップ」で詳しく勉強したいと思ってます。

以上、『アプリで稼ぐ戦略を評判のレストランから学ぶ』でした。

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会社員Shira
IT系の会社員。1978年生まれ。個人開発でAndroidのアプリをリリース、総ダウンロード数は100万くらい。36歳で初めての転職、未経験のweb業界にもちょっと慣れてきました。

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