『コンテンツマーケティング』とは何か?
従来の集客方法は企業側から発信する メルマガ、DM(ダイレクトメール)、広告が主流でした。
はっきり言ってウザいので
「迷惑だわー」って思いますよね?
それに対して『コンテンツマーケティング』は、企業側がオウンドメディアを立ち上げて、商品を欲しがるユーザーが見に来るのを待つという、インバウンドセールスです。
全く迷惑にはなりません!
本記事では、この『コンテンツマーケティング』を利用して、実際にアプリのダウンロード数を増やすことができるのか検証結果を報告します。
先に結論を申しますと、素人がコンテンツマーケティングをやったところで大した成果は出せません。
以下は失敗内容に興味がある知的好奇心旺盛な方に読んで頂けたら幸いです。
アプリのダウンロード数を増やす計画
私が公開しているアプリ『CSV Viewer』をコンテンツマーケティングの商品とします。
ご存じなければ、CSV Viewer の紹介記事をご覧ください。
私が参考にしている『バズ部』によると、『コンテンツマーケティング』では以下の購買サイクルを意識する必要があるそうです。
購買サイクルの6つのステージ
- Awareness(認知):あなたの会社または商品/サービスのことを認知する
- Interest(興味):商品やサービスに関してもっと知りたいという興味を持つ
- Consider (検討):商品やサービスの購入を具体的に検討する
- Purchase(購入):商品やサービスを購入し新規顧客に変わる
- Repeat(継続):商品やサービスに満足した結果リピート購入や継続利用をする
- Advocacy(応援):会社のファンになり積極的に友人知人に広める
ですが、全部やるのはとてもしんどそうです。。。
幸いなことに『CSV Viewer』は、無料の Androidアプリ なので、認知と興味だけあれば良さそうです。
よって、深く考えず『CSV』で検索し、本サイト(シンプルアップ工房)が1ページ目に表示されれば、目的達成とします。
継続、応援については、とても魅力的なので、上記が達成できた場合、追加で対応しようと思います。
コンテンツのキーワード選定
『CSV Viewer』が欲しくなるコンテンツとして、なにを用意すればよいか検討します。
コンテンツ作成で必要となる複合キーワードを10個ほど選定します。これらキーワードに対してコンテンツを1:1で作成していきます。
キーワード | 平均月間検索ボリューム | 記事の投稿日 |
---|---|---|
CSV ファイル とは | 100~1,000 | 2016-12-06 |
CSV ファイル 作り方 | 100~1,000 | 2016-12-18 |
CSV ファイル 読み込み | 100~1,000 | 2016-12-31 |
CSV ファイル 編集 | 100~1,000 | 2017-01-30 |
CSV ファイル エクセル | 100~1,000 | 投稿を断念 |
CSV エクセル 文字化け | 100~1,000 | 投稿を断念 |
CSV エクセル 変換 | 100~1,000 | 投稿を断念 |
CSV とは | 1,000~1万 | 2017-02-22 |
CSV 形式 | 1,000~1万 | 投稿を断念 |
CSV 出力 | 1,000~1万 | 投稿を断念 |
※カッコ内は、月間平均検索ボリュームです。
上記キーワードの選定は、キーワードプランナーを利用しました。
記事の投稿を断念(2017-04-03追記)
意地でも10記事を投稿する予定でしたが、以下の理由により断念しました。
- 家のPCにエクセルがインストールされていない。
- コンテンツの内容が重複する。
- 新記事を投稿しても検索順位が上昇しない。むしろ低下する。
ここまで記事を投稿して気づいたのですが、キーワードを列挙して記事を書くやり方は失敗でした。
適当に記事を投稿していった結果、内容が重複する問題が多発。
ユーザーの悩みをリサーチして、それに対する回答という形でコンテンツを作成していくべきでした。
まぁ、今回の失敗は次回に活かそうと思います。
コンテンツの構想
検索ボリュームが少ないキーワードのコンテンツから作成していき、それぞれのコンテンツで検索上位表示を目指します。
コンテンツは『CSV Viewer』のダウンロードを誘導する内容ではなく『CSV』って何?というIT系の仕事に縁がない方でも『CSV』って便利なんだね。と分かりやすく理解できる方針で作成します。
結果、本サイト(シンプルアップ工房)は『CSV』に詳しいサイトです。と Google先生にアピールしてみます。
コンテンツ構想の反省点(2017-04-03追記)
選定したキーワードの検索ボリュームが少なすぎた。
ロングテールを狙いすぎて PV(ページビュー)が稼げず、コンテンツ作成のモチベーション維持が困難でした。
CSV以外にボリュームのあるキーワードを絡めたコンテンツ構成にすべきでした。
施策前の現状
『コンテンツマーケティング』の施策を行う前の状況を報告しておきます。
施策後、どのような結果になるのか楽しみです。
検索エンジンによる表示結果(施策前)
2016年12月04日、検索順位チェックツールGRC を使ってチェックした結果は以下の通りです。
現状、選定したキーワードでは全く検索されません。
正直アプリの紹介ページも作成してあるので、多少は検索にひっかかると思ってました。現実は厳しいですね。。。
アプリダウンロード数(施策前)
このグラフは、2016年11月に『CSV Viewer』が日本のみでダウンロードされた計測結果で総数 316 DLです。
この 316 DLが、作成予定のコンテンツ10個を投稿した後、どれくらい増えるのか?
その効果を検証します。
4ヵ月後の検証結果
コンテンツマーケティング開始から4ヵ月後の検証結果です。
コンテンツの実績一覧
コンテンツの投稿実績を時系列で列挙します。
2016-12-06 に投稿
2016-12-18 に投稿
2016-12-31 に投稿
2017-01-30 に投稿
2017-02-22 に投稿
検索エンジンによる表示結果(施策後)
コンテンツの投稿による検索エンジンによる表示結果、および考察です。
1つ目のコンテンツ投稿
『CSV ファイル とは』のキーワードを意識したコンテンツ投稿から10日経過。
2016年12月15日、検索順位チェックツールGRC を使った結果は以下の通りです。
- CSV ファイル とは:21位
弱小サイトが CSV関連のコンテンツを1つ投稿したところで、上位表示は困難なのは知ってました。しかし、CSV 関連のコンテンツを投稿するごとに、この『CSV ファイル とは』のキーワードを意識したコンテンツの順位も勝手に上昇するものと推測しています。
2つ目のコンテンツ投稿
『CSV ファイル 作り方』のキーワードを意識したコンテンツの投稿から10日が経過。
2016年12月28日、検索順位チェックツールGRC を使った結果は以下の通りです。
投稿したコンテンツのキーワード以外にも影響が出始めました。
ターゲットである『CSV Viewere』についてもランクインされました。
- CSV ファイル とは:23位:前回21位
- CSV ファイル 作り方:18位
- CSV ファイル エクセル:41位
- CSV とは:31位
- CSV Viewer:19位
3つ目のコンテンツ投稿
『CSV ファイル 読み込み』のキーワードを意識したコンテンツの投稿から14日が経過しました。
2017年01月14日、検索順位チェックツールGRC を使った結果は以下の通りです。
投稿したコンテンツの内容として、『CSV』ではなくWindowsの無料テキストエディタである『gPad』について深堀しすぎたため、あまり良い順位にならなかったと推測しています。
競合サイトのコンテンツをチェックしたところ、プログラムからCSVファイルを読み込む方法の記事が多かった印象です。よって、このキーワードで検索するユーザーのニーズはプログラムを利用した読み込み方法だとGoogle は判断してるのでしょう。
- CSV ファイル とは:20位:前回23位
- CSV ファイル 作り方:13位:前回18位
- CSV ファイル 読み込み:42位
- CSV ファイル 編集:88位
- CSV ファイル エクセル:68位:前回41位
- CSV とは:圏外:前回31位
- CSV Viewer:26位:前回19位
1ヵ月放置
前回の投稿から、CSV関連のコンテンツを1か月間、投稿しませんでした。
結果、順位が大きく変動していました。
2017年01月30日、検索順位チェックツールGRC を使った結果は以下の通りです。
- CSV ファイル とは:26位:前回20位
- CSV ファイル 作り方:18位:前回13位
- CSV ファイル 読み込み:45位:前回42位
- CSV ファイル 編集:圏外:前回88位
- CSV ファイル エクセル:64位:前回68位
- CSV とは:42位:圏外
- CSV Viewer:45位:前回26位
全体的に順位が悪くなっています。
この一か月の間、CSVに全然関係ないコンテンツを投稿したことによる影響なのでしょうか。
それとも、競合サイトがコンテンツを拡充したのでしょうか?原因は不明です。
4つ目のコンテンツ投稿
『CSV ファイル 編集』のキーワードを意識したコンテンツ投稿から23日経過。
ちなみに最近、Google検索アルゴリズムに大きな変動があったため、検索順位が大きく変動しました。
2017年02月22日、検索順位チェックツールGRC を使った結果は以下の通りです。
- CSV ファイル とは:81位:前回26位
- CSV ファイル 作り方:14位:前回18位
- CSV ファイル 読み込み:圏外:前回45位
- CSV ファイル 編集:31位:圏外
- CSV ファイル エクセル:32位:前回64位
- CSV とは:28位:前回42位
- CSV Viewer:39位:前回45位
順位下落の原因は重複コンテンツと判断されてしまったのでしょうか。よく分かりません。
5つ目のコンテンツ投稿
今回投稿したコンテンツは、タイトルを『CSVとは何か?3分で説明します。』としました。
このコンテンツは1000文字程度の内容ですが、ささっと理解したい人のために作成したものです。
長文を好むGoogleの検索アルゴリズムがどのような判断を下すのか、併せて検証してみたいと思います。
最終結果(2017-04-03追記)
2017年04月03日、検索順位チェックツールGRC を使った結果は以下の通りです。
- CSV ファイル とは:80位:前回81位
- CSV ファイル 作り方:12位:前回14位
- CSV ファイル 読み込み:88位:圏外
- CSV ファイル 編集:10位:前回31位
- CSV ファイル エクセル:42位:前回32位
- CSV とは:15位:前回28位
- CSV Viewer:45位:前回39位
もっと上位に食い込めるかと思ってましたが、考えが甘かったです。
興味深い結果として、『CSVとは何か?3分で説明します。』の短い記事(1000文字程度)が Google に評価された点です。
このコンテンツを投稿するまでは、2400文字くらいの『CSVファイルとは?詳しく解説、サンプルデータもあります。』が30位~40位くらいを彷徨っていたのですが、一気に検索順位が抜かれました。
最高12位くらいまで上昇するのを確認しました。
やはり、ユーザーの検索意図を簡潔に解決するコンテンツがいいのだなと実感しました。
アプリダウンロード数(施策後)
コンテンツを全て投稿した結果です。
このグラフは、2017年3月に『CSV Viewer』が日本のみでダウンロードされた計測結果で総数 261 DLです。
結果、コンテンツを投稿する前より50件ほど減りました。
50件という値は誤差の範囲なので、今回行ったコンテンツマーケティングの施策は効果が無かった。
という検証結果になります。
10ヵ月後の検証結果
2017-10-18 追記
CSV 関連の検索流入が急に多くなりました。
「なんでだろう?」
と色々調査してみた結果、「CSV ファイル 作り方」でググったところ以下を発見。
検索順位は3位ですが、検索結果での強調スニペットという目立つように表示する仕組みがGoogle検索にはあるんですね。
この効果が絶大なのか「CSV ファイル 作り方」のキーワードで、日に20件くらいの検索流入が発生するようになりました。
折角なので、このタイミングでアプリのダウンロード数がどうなっているのか確認しておきます。
検索エンジンによる表示結果
まずは各コンテンツの検索順位からチェック。
今回は無料で使えるSEOツールのSEOチェキ!を利用して検索順位を確認しました。
- CSV ファイル とは:20位:前回80位
- CSV ファイル 作り方:1位:前回12位
- CSV ファイル 読み込み:圏外:前回88位
- CSV ファイル 編集:5位:前回10位
- CSV ファイル エクセル:44位:前回42位
- CSV とは:12位:前回15位
- CSV Viewer:4位:前回45位
前回測定日は6ヵ月前
あれ、実際にグーグルで検索した結果とズレが出てますね。
まぁ検索結果は奥が深いので、気にせずスルーします。
アプリダウンロード数
このグラフは、過去30日(2017年9月19日~2017年10月18日)に『CSV Viewer』が日本のみでダウンロードされた計測結果で総数 199 DLです。
期待と裏腹に減ってた!w
まとめ
コンテンツマーケティングを行うことで、CSV Viewer の日本におけるダウンロード数を増やす予定でしたが、結果、増えるどころか減りました(笑
この結果から、コンテンツマーケティングは難しいということを実際に体験することができました。
なお、毎日Googleアナリティクスで本サイトへの検索流入をチェックしているのですが、CSV関連の記事で本サイトを見に来てくれる方は、多くて日に10人程度です。
この程度の人数では、アプリのダウンロード数を増やすことが無理なのは明白です。
しかし懲りずに新しいアプリをリリースする際は、今回の失敗を活かして再トライしようと思います。
ちなみにCSV Viewerは日本でのダウンロード数は大したことありませんが、全世界では毎日300件くらいダウンロードされているアプリです。ダウンロード数の詳細や収益が知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
以上、『コンテンツマーケティングでアプリのダウンロード数を増やす検証』でした。
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